ネイルサロンの開業資金はいくら必要?個人ネイリストの独立費用も解説
ネイルサロンの開業を検討しているネイリストの方の中には、開業資金について気になる人もいるのではないでしょうか? 「開業資金ってどんなもの?」「どのくらい必要なの?」「どうやって調達したらいい?」 このような疑問をお持ちのネイリストの方に向けて、この記事では、ネイルサロンの開業資金についての現状をはじめ、必要な資金の目安や調達方法について徹底的に解説していきます。 今後ネイルサロンの開業を考えているネイリストの方は、ぜひ参考にしてくださいね。
ネイルサロンの開業資金の種類
まず、ネイルサロンの開業資金の種類について解説していきます。
開業資金の種類は大きく分けて2つ。
順に見ていきましょう。
初期費用
初期費用とは、その名の通り開業の初期にかかる費用のことです。
たとえば、敷金や礼金などの店舗取得費用、内装工事費、設備費、予約管理システムの導入などが挙げられます。
運転資金
運転資金とは、ネイルサロンのオープン以降、毎月必要になる資金のことを指します。
たとえば運転資金は、賃料、材料費、求人広告費、人件費、宣伝広告費、税金などの支払いのために必要になります。
特にスタッフ雇用型のサロンを運営する場合、人件費が発生することを念頭に置きましょう。
ネイルサロンの開業資金についての現状
続いて、ネイルサロンの開業資金の現状についてご説明します。
ここで知識を深めていきましょう。
自宅サロンの開業資金はほとんどが100万未満
ネイルサロン開業において、開業資金100万円未満の自宅サロン開業が最多です。
自宅サロンの場合、物件取得費用や賃料がかからないので低資金で開業可能というメリットがあります。
そのため、多くのネイリストは独立すると同時に自宅サロンを開業するのですね。
ただし、自宅サロンが低資金で開業可能だからとはいえ、全員ができる開業方法というわけではありません。
資金が不足していれば自宅サロンの開業もできない可能性があります。
自宅サロン以外の場合は資金不足でくじけることも
自宅サロンの場合、そもそも自宅が店舗利用不可の物件だったり、防犯面での不安があったり、プライベートとの区分けが難くなったりなどのデメリットがあります。
その場合、自宅サロン以外を検討することになるでしょう。
しかし、自宅サロン以外での開業の場合、さらに多くの資金が必要になります。
そのため、資金不足でくじけてしまう人が多いのです。
自宅サロンでも自宅サロン以外でも、十分な資金を用意する必要があります。
必要資金とその調達方法を知ることが大切
資金不足でくじけてしまう人が多いのが現実ですが、その中で上手くやり繰りするには、必要資金とその調達方法を知ることが大切です。
資金不足でも、借り入れや助成金などを活用することで必要資金が調達できます。
また、開業資金を抑えるには0円開業もおすすめです。
【規模別】個人サロンとして開業する場合の必要資金
次に、個人サロンとして開業する場合の必要資金について解説します。
個人ネイリストが小規模のネイルサロンを開業するパターンはいくつかにわかれます。
ここではパターン別に必要資金の目安を解説しますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
自宅サロンの場合
自宅サロンを開業する場合、必要資金の目安は60万円です。
60万円の内訳は、材料費30万円、設備費30万となっています。
自宅サロンが低資金で開業できると考えていた人は、意外にお金がかかると知って驚くかもしれませんね。
自宅とはいえ、ある程度のまとまった資金は必要になります。
マンション開業の場合
マンションで開業する場合、ワンルームマンションだと仮定すると、必要資金の目安は200~300万円。
内訳は、初期費用70万円、材料費30万円、設備費30万円、運転資金70万円となっています。
これももう少し安く開業できると考えていた人も多いのではないでしょうか?
初期費用にプラスして運転資金まで考慮すると、かなりの額が必要になることがわかります。
シェアサロンの場合
施術のためのスペースや個室を共有するシェアサロンの場合、必要資金の目安は80万円です。
内訳としては、材料費30万円、運転資金50万円となっています。
スペースをシェアするため、物件を丸ごと借りるよりは安いですが、それでも月額の賃料は15~20万円と比較的高めです。
出張型サロンの場合
出張型サロンとして開業する場合、必要資金の目安は30万円です。
この30万円は、すべて材料費のみとなります。
お客様のご自宅に伺って施術する場合、場所にかかる費用は0円なのでかかるのは材料費のみです。
一方、有料のレンタルスペースを借りて施術を行う場合は、材料費に上乗せしてレンタル費用もかかってきます。
0円開業(開業支援)の場合
サロミーで0円開業支援を受けて開業する場合、必要資金はほぼ0円です。
負担していただくのは材料費や消耗品費など細かい費用のみ。
それ以外の大型設備や開業スペース契約初期費用などはすべてサロミーが負担します。
「資金がないけど開業したい...」とお悩みの方にはうってつけの開業方法です。
【規模別】スタッフ雇用型ネイルサロンで開業する場合の必要資金
続いて、スタッフ雇用型のネイルサロンで開業する場合の必要資金について解説します。
個人で小規模のネイルサロンを開業するのに比べて、必要になる資金は多い傾向にあります。
詳しく見ていきましょう。
テナント開業の場合
テナントで開業する場合、必要資金の目安は400~500万円です。
内訳は、初期費用が約330万円、運転資金が約100万円です。
さらに初期費用の内訳は、物件取得費用が150万円、内装費が80万円、設備費が60万円、材料費が40万円と計上しています。
物件や設備にかかる費用がかなりの額に上っていますね。
フランチャイズに加盟する場合
フランチャイズ店として開業する場合、必要資金の目安は600~800万円です。
必要資金の中でも、フランチャイズへの加盟金としてかかる費用が200~300万円とかなり高額に上ります。
ビジネスモデルの提供を受けられるというメリットがある一方、紹介した開業方法の中では最も高額の資金が必要になる開業方法です。
ネイルサロン開業資金の調達方法5選
それでは具体的に、ネイルサロンの開業資金の調達方法について解説します。
ここで紹介する資金の調達方法は5つ。
順に見ていきましょう。
銀行融資(日本政策金融公庫の創業融資)
最もおすすめな方法と言えるのが銀行融資です。
銀行融資の中でも特におすすめなのが、日本政策金融公庫が提供する創業融資。
利率が低く、無担保・無保証人で融資が受けられるため、ハードルが低い方法だと言えるでしょう。
また、設備資金は20年以内、運転資金は10年以内と長期での返済が可能なのもメリットです。
自己資金を貯める
自分で貯金して自己資金を増やすのもひとつの方法です。
ですが、自己資金を貯めるのは時間がかかりすぎるためおすすめはしません。
「すぐにでも開業したい!」と思いながら、自己資金が貯まるのを待っていたら機を逃してしまいます。
ある程度の自己資金が用意できたら、残りの資金は融資などを受ける方が現実的でしょう。
家族や知人に借りる
開業資金を調達するには、家族や知人に借りるという方法もあります。
家族や知人であれば、無利子にしてもらえる確率が高く、借りた額以上の返済が不要になる可能性があります。
一方、家族や知人に借りることにハードルの高さを感じる人もいるでしょう。
「迷惑をかけたくない」「信頼を失いたくない」と感じて不安になる人は、融資を受けたりサロミーの0円開業支援を活用することをおすすめします。
消費者金融・事業用ローンを組む
消費者金融や事業用ローンを組むというのも資金調達法のひとつです。
しかし、この場合利率が高いためおすすめはしません。
借りた後、返済が苦しくなったり、返済総額が予想以上に膨らんだりする可能性もあるため、利用する前にじっくり検討しましょう。
まずは銀行融資を受けられないかの検討を優先するのがおすすめです。
個人からの投資・融資を受ける
そう多くない方法ですが、個人からの投資や融資を受ける方法もあります。
この場合、個人間でトラブルが発生しやすいためおすすめはできません。
たとえば、後から法外な利息を請求されたり、個人情報を悪用されたりといったトラブルに巻き込まれる可能性もあるのです。
融資を受けるなら、銀行融資を最優先で検討しましょう。
ネイルサロン開業で銀行融資を受けるときの注意点
続いて、ネイルサロン開業で銀行融資を受けるときの注意点について解説します。
先述したように、資金調達する場合は銀行融資が最もおすすめです。
銀行融資を受けることで安心して開業に結びつけることができるでしょう。
以下で詳しくご説明します。
信用情報に問題がないか事前に確認する
銀行融資を受ける前に、自身の信用情報に問題がないか確認しておきましょう。
信用情報に傷がないかどうかは「CIC」というサイトでスマホを使って取り寄せられます。
信用情報に問題がある例としては以下の通りです。
- 返済状況に「異動」がある
- 終了状況に「本人以外弁済」「貸倒」「法定免責」がある
- 入金状況に「A」「P」「R」が複数ある
「異動」というのはネガティブな情報を示していることが多く、返済が滞っていたり、債務整理を行ったりしている場合は「異動」と記されます。
また、「本人以外弁済」は第三者が代わりに返済すること、「貸倒」は金融機関が債権の回収ができなかったこと、「法定免責」は自己破産などで返済する義務を免除されたことを示しています。
さらに「A」「P」「R」というのはそれぞれ、延滞、支払い猶予、リボ払い利用中ということを表しているのです。
いずれも好ましくない情報が記録されているということになるため、上記のような記載があれば銀行融資の審査通過は厳しくなるでしょう。
必要資金の3分の1は自己資金で用意する
銀行融資を受けるとしても、必要資金の3分の1は自己資金で用意しましょう。
たとえば、必要資金が300万円の場合、100万円の自己資金を用意するといったことです。
銀行が融資の可否を判断する場合、自己資金の割合を見ることもあります。
自己資金が少ないと、その分銀行が負うリスクが高くなるためですね。
そのため、最低でも3分の1程度は自己資金を用意するのが望ましいでしょう。
ただし、親族などから借りた資金は自己資金とは別扱いになるため要注意です。
事業計画書を綿密に作る
ただ申し込むだけで銀行融資が受けられるわけではありません。
銀行の審査を通過するには、綿密な事業計画書を用意する必要があります。
日本政策金融公庫のホームページに記入例がありますが、それよりも遥かに綿密に作り込んだ事業計画書を用意すべきです。
たとえば、記入欄はすべてのスペースを埋め、空欄を作らないことで本気度をアピールするのです。
特に、必要資金とその調達方法・事業の見通しなどの数字にかかわる部分はなんとなくで記入してはいけません。
事業の財務計画を詳細にまとめた月別収支計画書で計算した数字をしっかり記入しましょう。
月別収支計画書を7年分作成する
月別収支計画書とは、事業の収入と支出を月ごとに詳細に記載した計画書です。
事業計画書を作る際には必須の書類となります。
この月別収支計画書は、7年分作成しましょう。
なぜ7年分なのかというと、7年間の返済を行うことになるためですね。
日本政策金融公庫のホームページには1年分しか記載がありませんが、しっかり7年分計画を立てましょう。
計画を立てる際は、半年以内には単月で黒字転換するような計画が望ましいです。
累計の黒字転換は1年以内に達成できるよう、綿密な計画を立てましょう。
返済期間は7年以上で希望を出す
返済期間は7年以上で希望を出しましょう。
返済期間が長いほど、返済の難易度や毎月の負担は下がります。
毎月の負担が下がることで、設備費や材料費など、他の費用に回せるお金も増えるでしょう。
また、返済期間を長く見積もることは無理のない返済を前提としているため、返済計画が現実的で安定しているとみなされやすくなります。
結果として銀行からの信頼性が高まるのです。
そのため、できるだけ長い返済期間で希望を出すようにしましょう。
返済据え置き期間は6ヶ月で希望を出す
返済据え置き期間は6ヶ月で希望を出しましょう。
返済据え置き期間とは、正確には元金は返済せずに、発生した利息だけを返済する期間のことを指します。
返済据え置き期間を6ヶ月で設定することで本格的な返済開始を遅らせることができ、返済の難易度や負担を軽減できます。
特に開業初期の場合、何かと資金が必要になる場面が多いため、必要経費として資金を残しておきたいですよね。
その場合でも、返済据え置き期間を活用することで返済のハードルを下げることができます。
面談対策をする
銀行融資は書類審査だけではありません。
対面での面談があるため、その事前対策も必須です。
就職活動と同様、スムーズに回答できるよう十分に練習しましょう。
質問のほとんどは事業計画書に沿ったものとなります。
明確な理由を持って綿密に作成した事業計画書であれば、矛盾点や回答に困る点は少ないはずです。
そのため、事業計画書の作り込みも大切と言えます。
面談での印象は審査結果に大きく関わるため、ここで好印象を残せるよう精一杯やる気を見せましょう。
返済すべきものであることを忘れない
銀行融資はあくまで「融資」であるため、返済すべきものであるということを忘れないようにしましょう。
自分の手元にお金が入ってきたからといって、そのお金は決してもらえるわけではありません。
未来のあなたがコツコツと返済していくべきお金なので、無駄遣いしたり、本来の使い道とは違う箇所に使ったりすることのないようにしましょう。
銀行融資では返済能力が見られます。
融資を受けて終わりではなく、完済まで滞ることなく計画的に返済していきましょう。
ネイルサロンの開業資金を抑える方法
「開業資金の調達方法はわかったけど、やっぱり資金は抑えたい...」
このように考えている人に向けて、ネイルサロンの開業資金を抑える方法について解説します。
ネイルサロンの開業資金を抑える方法は大きく分けて4つ。
順に見ていきましょう。
シェアサロン・レンタルサロンから始める
まず一つ目に、シェアサロン・レンタルサロンから始めるという方法があります。
この方法であれば、テナントやマンションを借りて開業するより大幅に資金が抑えられるでしょう。
シェアサロンとは、施術のためのスペースや個室を他のネイリストとシェアする開業方法。
また、レンタルサロンは自分の店舗を持たず、予約が入ったら場所を借りて施術を行う方法ですね。
どちらも場所にかかる費用を大幅に抑えられるという点でメリットがあります。
内装にこだわりすぎない
内装にこだわりすぎないよう注意するのも資金を抑えるコツです。
夢だった自分のネイルサロンを開業するとなると、内装や設備にこだわりたくなる気持ちもわかります。
しかし、内装にばかりお金をかけてしまうと、後から必要になる運転資金が不足して経営が成り立たなくなるという危険性も。
完璧を目指すのではなく、ある程度の基準をクリアできたと感じたらその選択を信じてみましょう。
無料で集客できるツールを活用する
ネイルサロン開業に集客は必須。
ホットペッパービューティーへの掲載などは集客効果がある反面、広告費がかかるというデメリットもあります。
そのため、無料で集客できるツールを活用するのもおすすめです。
たとえば、XやInstagram、LINE公式アカウントなどがその例です。
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開業資金の準備は余裕を持って行おう!0円開業や融資を受ける手段もあり
ネイルサロン開業は、開業方法にもよりますが多額の資金が必要になることが多いです。
そのため、開業資金を調達することも視野に入れる必要があります。
資金を調達する方法として最もおすすめなのは銀行融資。
銀行融資を受ける際は、この記事で解説したポイントを踏まえて行動してみてくださいね。
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